MA-1とは何か?本物の定義やボンバージャケット、ブルゾンとの違いなど徹底解説!

ファッション史

こんにちは、Gochoです。
ファッション楽しんでますか?

ミリタリー由来のアイテムと聞くと、どこか無骨で男臭い印象を持つ方も多いと思います。
その中でも、時代を超えて現代のファッションシーンにも定着しているのが MA-1フライトジャケット です。

MA-1は、装飾性よりも実用性を最優先して設計されたミリタリーウェア。
過酷な環境で使われることを前提に生まれた背景を知ると、そのデザインやディテールの意味が自然と見えてきます。

この記事では、MA-1とは何か、どんな特徴を持つアイテムなのかを踏まえつつ、
実際のプロダクトをもとに詳しく見ていきましょう。

Gocho(ごちょ)って誰なの?
Gocho
  • 30代男性/171cm・約60kg
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  • ファッション好き歴20年以上(≒服好き)
  • アパレルOEM生産経験あり
  • 黒い服が大好き
  • 系統は雑食、ミリタリーテイストのアイテムが特に好み

MA-1とは

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/MA-1

MA-1とは、1950年代にアメリカ空軍のパイロット用として開発されたナイロン製フライトジャケットを指します。

軽量性、保温性、耐久性に優れた機能美が特徴で、現在では男女問わず秋冬・春の定番カジュアルアウターとして、ミリタリーやストリート、きれいめスタイルの外しアイテムとして幅広く愛用されています。 

MA-1の誕生背景

出典:https://jamingu.com/entry/ma-1/

フライトジャケットの歴史は1920年代に登場した A-1 に始まり、
その後 A-2 に代表される革製ジャケットが長らく主流となっていましたが、

  • 皮革の供給が追いつかなくなった
  • 1950年代初頭に軍用機がプロペラ機からジェット機へ移行したことに伴い、高高度・低温環境下では従来の革製フライトジャケットでは重量や硬化、乾燥性の面で不都合が生じるようになった

上記の背景から先行モデルである布帛(コットン)製のB-15が開発され、それをベースに改良が重ねられた結果、軽量で速乾性に優れたナイロン素材を用いた傑作のフライトジャケットMA-1が誕生しました。

ちなみにB-15の前身にはB-10があったりしますが、ここでは割愛します。

本物のMA-1とは

本物と言うか、実際に当時使用されていたMA-1のディテールの特徴は以下です。

着丈が短い(後ろが前より短く設計されている)

MA-1はコックピット内での着座姿勢を前提に、腰回りのもたつきを防ぐ短丈設計が採用されています。

特に背面は前身頃よりわずかに短く、シートに座った際に裾が引っかからず、操縦や緊急脱出時の動作性・安全性を確保するための実用的な構造になっています。

軽量で丈夫、防水・耐燃性のあるナイロン素材

表地には軽量かつ高い耐久性を持つナイロンツイルが使用されています。

ナイロン素材である理由については先述した通り機能性を追求した結果ですが、MIL規格では一定の耐燃性も求められていました。

腕周りが太い

本物のMA-1は操縦桿操作や緊急時の動作を妨げないよう、アームホールや袖幅が太めに設計されており、腕周りに十分な可動域が確保されているのが特徴です。

襟、袖、裾に風の侵入を防ぐ厚手のリブ

首元・袖口・裾には厚手のリブが配置されています。
これにより冷気の侵入を防ぎ、体温を保持する役割を果たします。

先行モデルであるB-15のムートン襟を廃したMA-1において、防寒性を補完する重要なディテールです。

リブの素材は、初期モデル(1950年代)ではウールを主体とした生地が用いられており、中期以降(1960年代~)になると、耐久性の向上や虫食い防止を目的としてアクリルを混紡したリブへと移行していきました。

ファスナー裏のウインドフラップ

本物のMA-1にはフロントジッパーの裏側に冷風の侵入を防ぐウインドフラップが備えられています。

高速飛行時の気流や低温環境を想定した設計で、ジッパー部分の隙間から侵入する風を効果的に遮断する役割を持っています。

左腕にジッパー付きのシガーポケットとペン差しが付いている

本物のMA-1の左腕にはジッパー付きの小型ポケットが設けられています。

これはシガーポケット(シガレットポケット)、ペン差しと呼ばれ、操縦席という制限された環境下でも、利き手を大きく動かさずに小物へアクセスできるよう設計された実用的なディテールです。

タバコやライター、小型のメモ類、筆記具などの収納を想定しており、フライト時の動作性が重視されています。

ちなみに左腕に配置されている理由は、「軍用機の操縦桿は右手で握るものだから」だそうで、当時左利きのパイロットは訓練段階で右利きに矯正されたのだとか。

大変だ、、

前身頃にボタン付きの斜めポケット

フロントのポケットは斜めに配置され、グローブ着用時でも物を取り出しやすい構造です。

スナップボタンにより内容物の落下を防止し、飛行中や緊急時の使用を想定した実用的な設計となっています。

ちなみに1950~1960年代のモノはボタンのみのポケットで、1970年代以降のモノにはフラップが付いているのが特徴です。

中綿が入っている(10℃~-10℃のインターミディエイトゾーンでの使用想定のため)

本物のMA-1は摂氏約10℃から−10℃程度の「インターミディエイトゾーン」での使用を想定して設計されていたため、中綿が入っていました。

中綿にはウール(初期)やポリエステル系化繊などの保温性と軽量性を両立する素材が用いられていました。

化繊より暖かいダウンを使用しなかった理由については明確な公式文書は確認されていませんが、湿気に弱く性能が不安定なダウンに比べ、濡れても保温力を維持しやすく、耐久性に優れた化繊の方が、インターミディエイトゾーン用装備として適していたためと考えられています。

表地カラーはセージグリーンのみ、裏地はレスキューオレンジだが年代によって異なる

MA-1と言えばブラックやネイビーなどのカラーをイメージされる方も多いと思いますが、本物のMA-1はセージグリーンのみです。
※セージグリーン=カーキより明るくグレーがかった色

ただし、実際は年代によって若干色味が異なったり、経年変化による変色があったりするのでセージグリーンという色の解釈が曖昧な点には注意です。

また、本物のMA-1の裏地が緊急時に発見されやすいオレンジ色(通称:レスキューオレンジ)であることは有名ですが、
先行モデルであるB-15の後継として登場した初期のモデルは裏返して使う発想がまだなかったためグレーが採用されていました。

1950年代後半以降になると救難時の視認性を高める目的でレスキューオレンジが主流となっていきます。
ただし移行期には混在も多く、メーカーやロットによる違いが存在するようです。

タグにMIL-SPECの記載がある(MIL-J-8279A~F)

本物のMA-1にはMIL-J-8279から始まる軍規格番号がタグに記載されています。

末尾のアルファベットは改訂版を示し、A~Fまで存在します。
これは米軍が定めた仕様を満たしている証明です。

タグにDSA~、DLA~など米国政府の契約番号の記載がある

タグにはDSAやDLAで始まる契約番号が記載されます。

これは米国国防総省と製造業者との調達契約を示すもので、製造年代や支給時期を特定する重要な手がかりとなります。

「MADE IN USA」の記載はない

実物のMA-1には「MADE IN USA」といった原産国表示は基本的に存在しません。

軍需品として政府契約のもと製造されていたため、民生品に見られる表示義務がなく、MIL-SPECや契約番号がその代わりを果たしています。

実物のMA-1以外は偽物なのか?

MA-1はその誕生背景上、当時実際に使われていたもの以外を偽物と区別したがる方もいますが、個人的には本物、偽物という呼び方には若干違和感を感じます。

ジーンズだって元は炭鉱夫の作業着として誕生していますが、当時使われていたもの以外は偽物かと言われるとそんなことないですよね(笑)

あくまでも「軍の正式装備であるMA-1」と、それを再解釈して時代にフィットさせて作られた「ファッションのMA-1」は別物として捉えればいいんじゃないかなって思います!

ヴィンテージを好む方や、ルーツを大事にされたい方は上記の項目をチェックして探してみるといいですね!(レプリカに注意)

MA-1とボンバージャケットとの違い

ここ困惑される方が多いと思うので解説していきます。

ボンバージャケットは爆撃機(ボマー)の乗員が着用したショート丈のフライトジャケットの総称で、MA-1はそのうちの一つということです。

MA-1以外のボンバージャケットには「A-2」や「B-3」などがありますが、現代アパレルではMA-1のデザインを指すことが多く、実際通販でボンバージャケットと検索するとMA-1がヒットすることが多いです。

ですのでほぼイコールと考えていいかと思いますが、違いを理解しておくと便利です!

MA-1とブルゾンの違い

これもよく分からん!と思われる方が多いかと思いますが、ブルゾンは着丈が短い上着の総称で、MA-1はカテゴライズするとブルゾンの一つということになります。

大分類がブルゾンで小分類がMA-1ということですね!

同じくカテゴリーの名称であるジャケットとブルゾンの違いは着丈の長さにありますが、フライト“ジャケット”なのにブルゾンってどういうこと?って困惑するかもしれません。

これは「ブーツの中の登山靴」みたいな感覚で捉えたらいいのかなって思います(笑)

まとめ

いかがでしたでしょうか?

知っているようで意外と知らなかったという部分も多かったんじゃないかなと思います。

MA-1は機能性を追求したデザインにロマンを感じるので、個人的に大好きな服の一つです!
コーディネートを載せた記事もあるので、良かったら見てみてください!

関連記事:ボンバージャケット(MA-1)はダサいのか?ジャーナルスタンダードレリュームのMA-1で検証レビュー

それでは!

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